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方位要素(プラズマ)は九星といった単純なものではございません。(「遁甲要素は空から降って来る〜遁甲原理」参照)
生まれた年月のシンボリック(気学の本命星、月命星)でその人の固有値を代表させ、大気中の「気」の作用を九星五行の祐剋で評価し律するのは単純過ぎます。
気学では大気中のプラズマの作用を九つの星のみで解明していますが、竹ざるで水を掬うようなもので把捉し切れていない大気現象が非常に多く存在します。
また現象(即"事象")の解明に止まらず吉凶の判定も不十分で、吉凶を逆に判定するケースが少なく見積もっても20〜30%の割合で発生します。
このように気学自体の理論構成上の限界から基本的に気学には効果の不足(無効果)・副作用(別効果)・逆効果が付き纏います。
気学では動土を開運法として重視しますがそのやり方が田中胎東著『大気薬用必携』にあります。
そこでは「自然土の採取」として「祐気の遁甲在泊せる方位の地の自然土を小箱に二箱くらい貰い来り、これを病患者の病患部附近なる病床の側端と頭部咽喉部附近なる病床の側端とに蓋を開けて置き、あるいは病床下に置きてもって宇宙大気を薬用する方法」とし、また「この自然土を病患部に擦り貼っても、薬治の作用があり」と説明しています。(同書 P188以下)
しかし保健衛生面の考慮は全く記述がなく、新たに土中の細菌が原因の感染症になる危険性が払拭出来ません。
また氏は地下三尺以下の太陽の光熱を受けない土を自然土と定義しており、その定義によれば焼土して滅菌した土は無効となる筈であります。
したがってやはり土中の雑菌、小昆虫類による人体への害が不安要素として残ります。この点、奇門遁甲術におきましては動土は奇門遁甲造作法で指定時間帯に穴を掘り埋め戻すという短時間で完結する行為であり、よって生じる開運効果は明白にして大ではあっても衛生面での副効果が生じる危険性は気学に比べ僅少であります。
また四柱推命方位術(子平命理による改運方位術)におきましても土性が用神・喜神でない個人は無効果・逆効果の可能性が高く、吉方位現地での土採取は当会は勧めておりません。
土遁の法は気学流派で諸説あり、胎東氏の説明が全てではないと考えますが氏の著書における動土の原理的説明は後世への影響が大きく故内田秀男氏も胎東流気学の大きな影響を受けていましたので再度その説の得失を検討した次第であります。
尚、中国風水(陽宅)における動土は当会も使用しており、物量的にもメソッド的にも日本の気学とは異なります。
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