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方位入門講座 II: 本命殺の虚と実


   「本命」とは、生まれ年九宮です。日本の気学では九宮を九星と呼んでいます。
 これを男女の区別なく1種類とするのが気学です。例えば来年2015年は「三碧」の年で、来年生まれた人の本命は三碧です。3→2→1→9→8→7→6→5→4→3と逆行するのが「年家九星」です。
 これに対し、『三白寶海』その他の中国風水や『恊紀弁方書』などの方位学書では、「本命卦」として男女別にしています。三碧年のみ男女の本命は共通し、3→4→5→6→7→8→9→1→2→3と順行するのが女性の本命です。

 江戸時代の有名な方鑒(方位学の古称)の先生である松浦琴鶴氏の著書『方鑒秘伝集』(天保11〜12年)には、三才運用棟金通書という本の男女の命は別でなくひとつだという論拠から、本命に男女別はなく同じであるという説を採用しています。
 そして、これがその後の日本の方位学の主要な流れとなりました。明治時代の尾島碩聞氏は、松浦琴鶴氏の考えを継承し、『方鑒大成』(明治21年)で上と同様の趣旨を述べています。
 重要な点は、「本命殺」という表現が上記方鑒書になく、「本命」「本命方」となっていることです。
 本命方は必ずしも凶でない、ということです。
 さて、気学の奥伝になりますが、七赤のある宮位毎の吉凶を記載します。
 坎位 吉
 坤位 吉
 震位 凶
 巽位 凶
 中宮 凶
 乾位 凶
 兌位 大吉
 艮位 吉
 離位 凶
 したがって、本命であっても使用する方位の宮位に吉凶が依存するわけです。
 気学の一般書で、本命の方位は本命殺として全て凶方にしているのは明確な誤りです。
  (2014/11/30記)
 

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