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奇門遁甲 コラム2

目 次



『奇門遁甲と気学』



2002年6月5日(水) 16:51:21 61.124.61.187

 空間大気造命を実行して頂いている東京の某氏からのご質問です。

Q.方位のとり方で、日本地図の経線、緯線で見ると、真北は東京

から酒田市になっています。二個の磁石で何度測定しても、その方向に

はならず、北は仙台より10度東寄りです。30度のレンジで方位を実行し

ているので、それほど問題はないと思いますが、どちらを採用すれば良

いのでしょうか。違いがあるのは承知しておりますが、お教え下さい。

A.奇門遁甲では「真方位」を使用します。南北が子午線の方向と一致します。

 地磁気を重視するのは「気学」ですが、中国風水も地磁気の作用は術の根底として

おり、日本の気学は中国風水の影響を大きく受けて成立しているため、動的方位術で

あるにも拘わらず各地における地磁気の偏差を修正して方位区分をします。ここに静

的方位との混同が見られます。

 奇門遁甲は地磁気の作用ではありません。目に見える例でいえば雷のような、天地

間に流れる自然電気のようなもの(些子)の作用で、広くは「宇宙線」も含まれると

思います。したがって内藤氏の言われるように立体解析幾何学で、三次元です。気学

の発想は二次元です。三次元を行動する人間にとっては二次元では不充分ですね。

 奇門遁甲は三次元なので、X軸、Y軸、Z軸を使用します。但し、符使式ではこの

点は明確ではありませんでした。玄空術ではこういう考え方をします。




『Dr.コパの風水について』



2002年6月5日(水) 16:54:18 61.124.61.187

 今更と言う感もありますが、書きます。(笑い)

 先週、TVに出演していました。

 風水を自称されていますが、基本的発想が「カラーリング」なので、風水とは別物

の小林流気学家相術と称すべきものです。

 西に黄色で財運、東にピンクで地位・名誉が向上するというのは、原理を解明する

とこうです。

 黄色は土の属性で、九宮で西の定位は「七赤」(金行)で財を表します。土生金と

財を生じるから「西に黄色」。

 ピンクは赤と白の中間色です。七赤(金行)と一白(水行)と東の定位三碧(木行

)とでは、金生水生木と順生して三碧の発展の象意を強めるから「東にピンク」。

 風水に根拠がないわけではありませんが、より気学的と言えるでしょう。

 小林さんはもともと神官なので、気学の祐気取りの一法である「お水取り」は神社

信仰と結びつきやすいのですが、その点も気学を思わせる材料です。

 私は神道を否定する気持ち自体は毛頭ありませんし、小林さんの宗教的信念は尊重

したいと思いますが、「風水」の名を冠するのは一般読者の無知に付け込んでいると

のそしりは免れず、どうかと思います。

 「カラーリング」には気分を変えるプラシーボ効果はありますが、それ以上のもの

ではないというのが穏当なところでしょう。

 さらに言うと、女性の髪のカラーリングと同様、ファッショナブルで女性読者の獲

得を狙った商法だと言えるでしょう。(^^ゝ゛




『奇門遁甲と射倖性』



2002年6月14日(金) 21:59:26 61.124.61.65 2007.10.24 更新

 「ねずみ講」(マルチ商法)がまた流行しているようですね。欲には切りがありま

せん。 (注 平成15年の出資法改正により、現在は不特定多数の人に対し、 後日出資金全額以上の金銭を支払う旨の明示・黙示の意思表示をして出資金を預かる行為は、 3年以下の懲役刑もしくは300万円以下の罰金刑を科されることになりました。)

 奇門遁甲はその成立事情からして国家公用ですので、私的欲望の充足用ではありま

せん。この点を誤解する人があとを絶たないであろうとの予想の下、中国では既に唐

の時代に当時の国家権力の代表者が真伝を封じてしまいました。

 清の時代に編纂された「欽定四庫全書」の奇門遁甲「遁甲演義」は、「煙波釣叟歌

」を土台にした「清代において残存した遁甲」の公式文書でしかなく、皇帝が編纂したもので

あるから信頼できるかといえばそうではなく、「この程度なら教えてあげよう」とい

う趣旨のものです。

 風水についてもしかり。遁甲はもともと遊牧民族が編み出したもので、移動を前提

とする生活の中から必要に迫られて生まれたものです。風水は逆に土地定着性の強い

農耕民族向けで、王朝が落ち着いた後に繁栄が永続するようにとの願いから皇帝が吉

地を卜して陰宅を設置したのが本来のあり方です。

 大衆受けするように後代(特に清代)に広まった「陽宅集成」に代表される三合派

風水は、「この程度なら教えてあげよう」の風水を寄せ集めたものです。

 私は、お金儲けをすること自体は悪いとは思いませんが、風水や奇門遁甲をそれに

利用しようという考え方は人間の勝手な思いこみであり、考え直したほうが良いと思

います。

 ただし、人生誰にもお金で切羽詰ったときはあるもので、そういうときはやむを得

ず術の助けを借りてもいいとは思いますが、少なくとも術で大金を得ようというのだ

けは止したほうが宜しいです。「中庸」を尊ぶのが術者のありかたです。

 ふだん汗水たらして地道に働いている人が困ったときに頼るのが術の真伝であり、

そういう人にしか効果というものはないものです。

 ちなみに、かつて掲載した「ある遁甲実験」の事例は、私が過去のある時期人生観

を深め、ある意味の人助けもしていた、そのわずかばかりの徳があったために思いが

けない効果が出たもので、そうでなかったら臨時の収入(サラリーマンにとっては馬

鹿にならない金額だった)があったことが却って悪い因子になっていたと思います。

 ちなみに、術と宗教の関係ですが、私は宗教的情操というものは大事だと思いますが、

宗教にすがるのは何の意味もないと思います。他力依存は人間を駄目にします。人間は

各自主体性ある自分の人生を生きるほかはなく、その途次に術の善用がありうるというこ

とです。




『遁甲挨星法と気学』



2002年7月13日(土) 1:59:13 61.199.106.49 削除・編集

 気学と挨星法の異同ですが、

1.気学は地盤1個だが、挨星法は天・地盤の2個の盤を用いる。

2.本命・月命の個人差は、挨星法では用いず、その点は挨星法は「万人が吉凶同じ 」である。

3.挨星法は「六大凶殺」のうち五黄・暗剣殺のみ問題にする。

4.三合による方位使用は、挨星法では用いられない。

 両者には上のような相違があります。

 内藤氏の一般書では気学を三合偽伝として全面否定していますが、実際はその一部を

尊重利用しているのが挨星法です。

 透派(明澄派)の言っているとおり、五黄・暗剣を除外する方位使用で、気学でも

80%の吉凶は該当するのですが、それはあくまでも符使式と比較してのことで、符

使式のみでは万全でなく、挨星法は必ず併用して見るべきです。

 したがって、100%完全な方位術があると想定して、標準的な気学はそのおおよ

そ40%未満の効力乃至吉凶適合性しか持たないと見積もるのが妥当な線でしょう。

(陰遁暦を使用する胎東流気学、陽遁定位日盤を使用する青龍会応用気学は一応別とします。)

 なお、挨星法にも複数種類あり、国内では透派の「選宅三白」の挨星法、高島正龍

氏の応用気学的挨星法が他に存在します。

 次に、武田氏が挨星法というよりもむしろ遁甲演卦法自体に消極的なのは、易の解

釈が人によりまちまちで、いかにも「占い」チックのため、科学性の好きな氏は嫌っ

たためです。

 実際は内藤氏の遁甲挨星法は基本線で易卦の吉凶の解釈も象意も確定してケースに

よるぐらつきもあまりないので、当たらぬも八卦と誹謗される「占い」のイメージと

は異なります。氏も若いころは「公教偽伝」を嫌って攻撃し、反証を挙げていた時期

がありましたが、その対象は主に在来の気学でした。奇門遁甲にも道教的要素があり

、その点も本来でないと斥けて開眼したのが「秘教真伝」の三元九宮遁甲その他でし

た。

 奇門遁甲の立場から見ると、気学は18局の遁甲であり、歴史的にスパイ対策とし

て太公望→張良(子房)と簡略化された果ての産物なので、使えない死物化した遁甲

であることは符使式の原典「煙波釣叟歌」に明瞭に記載されています。但し表現は「

十八局で精芸となす」という風に簡略化した方位術の信奉者にも気を使った表現にな

ってはいますが。 私は、1つの仮定として、中国における方位術の真伝は、唐代以

降、大きく九宮を重視しない奇門遁甲と九宮を用いる気学似の方位術に分解されて伝

わったと考えております。そのため、本来の方位術は両者を含み統合・止揚した存在

であることは間違いありません。(隋書に記載のある「遯甲」は実星を用いるまた別

の方術だったと思料される要素がありますので除外します)

 以上、専門的になりましたが、挨星法を使用すれば地盤に普通の九宮を含んでいる

ので巷間いわれる「九星気学」のエッセンスを含み超えたものが挨星法ですから気学

に配慮する必要はない、というのが結論です。




『財の問題解決について』



2002年9月16日(月) 21:47:42 61.124.61.70

 会社経営者の方から依頼をお受けすることがございますが、まず

「経営努力が前提となる」ことが明らかであり、「競争相手・ライバル・紛争相手」

に勝つことが必要なケースも多くなります。

 この点、奇門遁甲は確かに有効ですが、1,2度の方位使用では、壷にはまった方

位使用が出来るとは限らず、効果の保証はできかねます。

 おおむね半年間、4回以上の方位使用が必要ですので、あらかじめご承知の上ご依

頼下さい。さらに命運によっては、効果に限度が生じる場合もございます。反面、命

運との相乗効果で目を見張る効果が出る場合もございます。

 命運が前提になること、過去に蒔いた種が発芽することから、「無から有」を生じ

ることはあり得ませんし、奇跡的に数千万円の宝くじに当選するようなことも普通はありません。

 この点、他の気学家や奇門遁甲家、風水師でそのようなことを言っている向きがあ

るとすれば詐欺まがいであります。

 ちなみに、私は、過度な期待・要望に対してはお断りするか、成果報酬制の料金体系を

適用させて頂くかの選択対応をしております。




『鬼門について』



2002年12月16日(月) 0:6:54 61.124.61.141 2005.6.23更新

 鬼門については、現代では習俗・迷信と言い切って差し支えないと思います。

 この文章を書いた契機は、風水鑑定依頼に際し、あるお客様からの質問で「鬼門は影響あるのか」とメールで聞かれたことです。

 しかし、問題にすること自体かなり恥ずかしいということを前提に、以下をお読み下さい。

 なお、現在では鑑定依頼を除き、メールによる質問には原則としてご返事していません。(2004.4.1追記)

 鬼門の「鬼」ですが、丁度昨日、「ザ・リング0 バースデイ」がTVであり、し

っかりビデオ録画しましたが(笑い)、「貞子」は昔風に言えば正に鬼ということに

なりましょう。現代的には、霊能力の強い超能力者で、陰陽道の式神のように自分の

分身がおり、本人の危急を救うために他人から見れば色々悪さをする、ということに

なりましょう。ただ、悲しい星の下に生まれ業を背負った女性として描かれていました。

 風水の八宅派で、五鬼方は門の向きで変化するもので、北東に固定していません。

ただし、奇門遁甲で九星の起点を天蓬、八門の起点を休門とするように後天八卦定位の

坎位を起点とするのとパラレルに考えると、坎宅に代表させて北東五鬼(表鬼門)、

南西絶命(裏鬼門)と説明することが可能かも知れません。(末尾<補注>参照)

 鬼門は、八門で生門、九宮で八白、九星で左輔であり、いずれも吉です。元代の

「三白寶海」でそうなっています。反対に、裏鬼門は、死門、二黒、巨門で凶です。

固定した静的方位としてはむしろ「裏鬼門恐るべし」の論拠になり得ます。

 徳川家光の時代、金地院崇伝と共に参謀だった天海僧正は(崇伝は仏教徒らしく仏

教派でしたが、天海は神道寄りで)、日本の陰陽道というよりは最早民間伝承化・俗

信化していたと思われる「鬼門」をおそらくは政治的に利用し、太田道灌が室町中期

に建立した江戸城(今の皇居)の鬼門の方角に鎮守のため上野寛永寺を建立しました

。東北の伊達政宗が健在だったので、雄藩伊達家を牽制するためだったと言われてい

ます。江戸幕府を滅ぼすのは恐らく伊達氏だろうとの予想の下の行動でしたが、あに

はからんや、約240年後、幕府を滅ぼしたのは、南西の裏鬼門の方角から攻め上っ

てきた薩摩を中心とする雄藩でした。

 また、現在、地図上で方位をみると、30度角・45度角いずれでも寛永寺は江戸

城の北方であり、北東ではありません。測量ミスがあったと思われます。

 鬼門は、時刻でいうと丑寅の刻、明け方の陰極まって陽に転ずる清浄の時間帯にし

て侵すべからずの意味合いがあり、トイレ等の不浄のものを置くべからずということ

で忌み嫌われたわけです。

 日本の気学家相は、よくもまあと言いたくなるほどトイレの位置を重視し、中国風

水上も水法として、一理はあるのですが、「鬼門」の思想と結びついたと言えるでし

ょう。

 術上は、むしろ黄泉八殺(八殺悪曜)を絶対に避けるということが風水三合派・三

元派の一部で定石とされており、神殺の嫌いなT派もこれだけは実証あるものとして

例外的に重視しています。(私は神殺も実証あるものは軽視しません)したがって、

風呂もトイレも、水まわりは、黄泉殺を避ければ凶はなく、一般的には八宅派+本命

卦でみた凶方に配置することになります。私は鑑定にあたってはもう少し複雑な技法

を使用します。

 鬼門に関してさらに付け加えますと、実証的には、固定した方位としての限界はあ

りますが、裏鬼門のほうが重要です。敷地の南西にあった井戸を埋めたところ、主人

が仕事中事故死する(それも無残な亡くなり方)、その後、未亡人が50代前半の若

さで膵臓癌で亡くなるという凶災が続出した実例が東北地方の知人の旧家でありまし

た。(勿論詳細に調べれば他の術上(陽宅風水、命理)の条件も備えていたはずであ

るとは思います)(昭和46年、59年の事例)

 以上から、鬼門にもそれなりに意義がありますが、実証上は重要度が薄いと言える

と思います。 表鬼門・裏鬼門の状態が悪いために運気に悪影響があることは確かです

が、表鬼門・裏鬼門だから特別悪い、ということはなく、陽宅風水と一家の主人の命理も同

時期に悪いはずです。陽宅風水と命理が優先します。

<補注>鬼門の起源として、B.C.3世紀頃の蒙古地方の匈奴が中国北方に頻繁に侵入したことから、漢民族に恐れられ、北東が異民族(夷、胡)の門とされるに至ったと考えられます。さらに、B.C.6世紀頃の「山海経」、B.C.3世紀頃の「神異経」に北東に棲む鬼に関する記述と「鬼門」という用語が存在します。



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「命理を知らずして風水、遁甲、姓名その他開運法を用いること勿れ」


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